京都で話題の本屋であり2015年11月の終わり頃にオープンした誠光社さんを訪れてみました。誠光社さんと聞いてピンッとひらめく方は多いと思いますし、行きたい!と考えてみえる方も多いと思います。
誠光社さんは京都市左京区にある恵文社一乗寺店の元店長である堀部篤史さんが独立をされ、新しくオープンされた店です。
京都を観光する時のスポットの1つとして「恵文社一乗寺店」に行く人も多くみえましたが、一乗寺は市バス・京都バスのアクセスが悪く、叡山鉄道を利用する時にも時間がかかりました。今回堀部さんがオープンされた「誠光社」は京都市上京区にあり、街の中心付近にあることから、観光客であっても行きやすくなったところは嬉しいポイントです。
恵文社一乗寺店の元店長である堀部篤史さんの店
誠光社を語る上で、堀部篤史さんのお名前と恵文社一乗寺店の店名を枕詞のように付けてしまうのは悪い癖だなと自分でも思ってしまいます。ただ、2002年から恵文社一乗寺店の店長として仕事をされて、2013年に出版された「街を変える小さな店 京都のはしっこ、個人店に学ぶこれからの商いのかたち。」は“本屋さんを開店したい!”と思う方々にとって学ぶことが多かったように思いますし、社会的にも大きな影響を与えたことは事実のように思っています。
誠光社さんのウェブサイトには「店も出版社も利益を確保するためにできるだけ直接仕入れをし、本との親和性の高いメディアを扱う」と書かれています。小規模な書店の新しい形として、どのように経営を行っていくのか興味がつきません。
若い人で賑わう小さな街の本屋さん
誠光社さんへ伺ったときは、普通に堀部さんはレジカウンター越しにみえて少しビックリしましたが、誠光社さんには大量の本がある訳ではなく、サクサク本を見れば10分や15分くらいで店に並んでいる本を理解することができます。
本のラインナップは一般書店にも列んでいる新しい本から、あまり見たことがない本まで、堀部さんが選書した本が列びます。
お客さんは圧倒的に若い人が多く、8割方女性でした。観光客っぽい人もいますが、一人で来ている方や自転車でみえる方もいて、京都にとって必要な本屋さんになっていく様子が垣間見れたような気がしました。
2019年10月に再度、誠光社へ
オープンして4年ぐらい過ぎた2019年10月に誠光社へ再度訪れてみました。外観は全く変わらず雰囲気もそのまま。変わってないと思いながらお店の扉を開けました。2年半前に足を運んだときと棚の配置が少し変わり、人のすれ違いがしやすくなっていました。本の種類も雑誌がかなり減り、単行本が増えた印象です。
一番大きく変わったのは、お客さんの質のように思いました。以前は明らかに観光客という人も多くみえていましたし、店内で小声で話をしている人たちもいたのですが、今回は自転車でふらっと来る学生などの若い人が多い。店内でも真剣に選んだり本を読んでいる人ばかりで「誠光社を観光地にしている人」が減り、「本を購入しに来た人」が増えているように思いました。
お客さんの数は減っているかもしれませんが、店内の環境は良くなり、客単価が上がったのでは?と。本の品揃えは個人的に好きな本が多く、かなり目移りしましたが、持って帰ることを考えて読みたい1冊を選んで購入させていただきました。